薬事法で注意しなければならないこと

最終更新日 2024年10月30日 by jpdonline

薬事法は正式には「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」であり、現在は薬機法という略称で呼ばれているものですが、平成26年に改正されてからまだそれほど時間が経っていないことから、従来の呼び方が使われている場合も多いです。

内容としては医薬品や化粧品、医療機器などの定義したり、有効性や安全性のために必要な様々な規制をしているものです。

参考文献:薬事法管理者講座|広告マーケティングと法律の資格

通信販売の観点で考えたときに、医薬品の販売方法に影響があります。

一般用、要指導、処方薬の3種類がありますが、通常はインターネットなどで販売が認められているのは一般用だけであり、他の物を扱った場合には違反です。

この場合も無条件で扱って良いものではなく、第一類に分類されるものでは薬剤師が販売するように定められているので購入する際の手順が異なります。

希望するときにはまず質問に答えて使用するのが適切であるのか確認が行われ、情報提供をした上で確定になるので手間がかかります。

しかし、薬剤師が外出するなどして不在になっている薬局では、戻ってくるまで購入できなかった第一類の医薬品が自宅にいても注文できるので便利です。

要指導に指定されているものは性質が異なっており、対面で情報提供と指導をしなければ販売できないので通販では取り扱われていません。

しかし、この中でスイッチ直後品目に該当しているものは一般用に移行してからの期間が短く、リスクが確定していないことが理由になっているため、原則で3年経過するとネット通販で販売できるようになります。

現在は検索して見つからないものであっても、しばらく待っていれば利用できるようになるということです。

処方薬は改正前と変わらず対面が必須になりますが、これは作用が大きいので重篤な副作用の危険性があるためです。

不便に感じるものですが、安全性のためなので理解しましょう。

健康食品の場合には薬ではないので薬事法の規制の対象にはなりませんが、全く影響しないものではないので注意が必要です。

具体的には、効果や効能で医薬品のような表現を行うこと、医薬品にしか認められていない成分を使用すると違反になります。

実際には違反している表記の製品を見かけることもありますが、適正ではありません。

健康食品は日々新しいものが販売されているので、確認が追い付いていない状態になっているだけです。

このような製品はメーカーが法律を理解していないので安全性にも疑問があり、利用するのは好ましいとは言えないです。

化粧品の場合には記載ができる効果や効能の表記が56個あり、意味の変わらない範囲で言い換えることもできます。

これらも多くの場合、薬理作用で認められたものではないため規制がされています。

ただし、使用感などについては事実であれば記載して広告することが可能です。

前述したように医療機器も含まれるため、通販の身近な例ではカラーコンタクトレンズなどが高度医療機器として該当しています。

当初は対象外でしたが、トラブルが多発していたため平成21年から製造・輸入・製造販売(元売り)・広告・販売が規制されるようになりました。

それぞれに対して都道府県知事や厚生労働大臣の承認を受けなければ違法になりますが、安全のために行っているので申請するだけではなく要件を満たしていなければ許可されません。

ネットで販売されているカラーコンタクトレンズには無許可で行われているものがあるため、承認を受けていることを確認してから利用した方が良いです。

処方薬などは対面でなければ販売できないと説明しましたが、インターネットで薬の検索を行っていると取り扱っているサイトがあることに気付きます。

これには特殊な背景があり、適切に運営されている場合には違法ではありません。

個人輸入代行と呼ばれる手法を取っているもので、一般的な通販とは異なっています。

営業のために海外から薬を輸入する場合には薬事法の規定で厚生労働大臣から承認・許可を得る必要があり、一般の場合でも地方厚生局に書類を提出して営業ではないと証明するようになっていますが、指定された範囲に限定して税関が確認すれば可能です。

厚生労働省のサイトに掲載されていますが、一部の重大な健康被害が起きる危険性があるものを除き、処方薬でも医師の処方がなくても個人で輸入できます。

実際には外国語が分からないと個人で行うのは難しいため、これを仲介する形で行っているのが代行サイトです。

ただし、本人が利用することが前提になるので販売するだけでなく、他の人のものをまとめて輸入することもできません。

大量に注文すれば税関に営業用と判断されて止められるケースもあるので、必要最低限にするのが無難です。

また、副作用が出た場合には自己責任になり、救済制度が適用されないことも注意が必要です。

個人輸入では薬が安く買えるなどのメリットがありますが、自己判断で使用するので適切な利用方法ではないことを理解しましょう。

安全性を考えると医療機関で診察を受けて、医師の判断に基づいて処方された薬を使った方が良いです。